蝶の神秘

      10月も半ばとなり、さすがに蝶も姿を見せなくなりました。
     毎日の楽しみがなくなり、少しさびしくなった今日この頃です。
      我が家が購読している新聞の毎週日曜日、生物学者の福井伸一先生がコラムを
     書いています。
      9月21日の日曜日、何気なく見ていたところ 「蝶の神秘」と題して書いているのが
     目にとまりました。
      とても興味深い内容だったので、ブログに取り入れさせていただきました。

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           口吻をらせんで収納、蝶の神秘

                                    福 岡 伸 一
         コンピューターや電気製品の配線。 毛糸やつり糸。 あるいは掛け軸や賞状。
        このようなものー内部に銅線や繊維組織があり、できるだけ、折ったり、傷つけたり、
        負荷をかけたりしたくないものーをコンパクトに「収納」するには、くるくるくるっと巻き
        とるのがいちばんいい。これは自然界も同じである。
         子供の頃、私は虫おたくで、家でたくさんのアゲハチョウを飼育していた。卵か幼虫
        を採集し、食草となる葉っぱを取り揃える。アゲハチョウは種類によって食べる食物
        が限定される。また幼虫の食欲は旺盛で、たいへんな作業となった。
           クロアゲハは    柑橘系かサンショウ
           キアゲハ は    パセリかニンジン
           ジャコウアゲハは ウマノスズクサ・・・・・、 おかげで私は、花壇に咲く花の名は
        知らずとも、一見変わった草木の名を言い当てられる。
         蝶がサナギから出てきて、くしゃくしゃの翅をすっきりと開いていく。翅の中に張り巡
        らされた中空の翅脈(しみゃく)に体液がみなぎることによって翅がぴんと完成する。
        ついこの間までモコモコあたりを這い回っていた芋虫が、軽やかで美しい妖精に変身
        する。こんなに劇的なメタモルフォーシスが他にあるだろうか。
         私は蝶に糖蜜を与える。蝶は脚の先で味覚を感じるのだ。だから給餌するには,綿
        棒に糖蜜を含ませ、トントンと脚に触れてやる。するとらせん状に固く巻かれていた口
        吻=写真=がするするとほどかれ、しなやかで細い鞭のように伸びて蜜のありかを探
        り当てる。 この様子は何度見ても見飽きることがない。蝶はこの口吻をストローのよ
        うに使って上手に蜜を吸う。吸いながらも翅をせわしなく開閉させている。
        密の甘さを喜んでいるかのようだ。その度に赤や青の班紋が見え隠れする。まもなく
        蝶はひらひらと飛び立ち、夏の高い空の中に消えていく。私はそれをずっと見送る。




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       このコラムを読ませていただいてから、今年パセリについていた青虫はキアゲハ
      だったのではないか・・・?、と思っています。
         
           キアゲハ     参考までにインターネットで検索したものです
                      翅の付け根あたりがグレーの色をしていて
                      縞模様がありません
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           アゲハ
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by matsuu7 | 2014-10-15 15:02